大分裂

分裂 ひとつのまとまりがいくつかの独立した部分に分かれること(国語辞典)

今回のテーマは分裂ですが、今年に入って様々なジャンルが分裂しているように感じます。それは大雑把に言えば政治、経済、文化に大別されると思います。門外漢なので詳しく説明はできませんが、政治は2大政党のみならず一つの政党でも分裂が起こり、経済は世界規模で電力などをはじめとするエネルギー供給がうまくいかず燃料などが高騰。我が国の電力も石炭の燃料が高騰しているのでそれに頼ってばかりでいいのか、そもそも原発は安価でクリーンな発電で知られているし1基稼働で非常に多くの電力をまかなえるはず、これを使わない手はないとか、文化は本当にテクノロジーの発展が目覚ましく新旧で分化しているように思います。また世界的に見てもかつての米ソ冷戦から発展して独裁国家と民主国家に大別されていると思います。どちらが正しいのかというよりはどちらに従えばよいのか、日和見主義的なそんな感じがします。分裂といえば核分裂とか細胞分裂とか主に生物の最小単位の組織をイメージされる方が多いかもしれませんね。最小単位といえばウィルスも。コロナウィルスも分裂していますね。周知の通り昨年のウィルスに比べると重症化率は低いが感染力が強い。ということは重症化で亡くなる確率は低くなるが感染力が強いのでたちまち多くの人が感染してしまったら病床の確保が難しいので入院の措置も難しい。今年も水際が瀬戸際になるかはわからないが先ほどまん延防止重点化措置の発令のニュースが入ってきたのでまた近いうちに人流の抑制、営業時間の短縮が実施されるのではないか。そんなシナリオが目に浮かびます。

分裂といえば、芸術の1ジャンル、音楽の世界でも発生しているように思います。ていうかそもそもクラシック音楽界でも多くの分裂がありました。ぼくが思うにその起点はグレゴリオ聖歌に代表される宗教音楽にあったと思います。しかしやがて神をたたえる神聖的な文化から人間をたたえる世俗的な文化に変わりました。ドイツはバッハが対位法で頂点を極めましたが、それは同時にハイドンが和声法を創始するきっかけとなりました。ていうかモーツァルトのような天才型もいればベートーヴェンのような大器晩成型もいます。19世紀に入るとドイツでもブラームスとワーグナーという2大作曲家による派閥が誕生しました。個人的にはベルリオーズ~リスト~ワーグナーという派手で大規模な構図とメンデルスゾーン~シューマン~ブラームスという堅牢で重厚な構図が思い浮かびます。それはワーグナーの革新派とブラームスの保守派の対立ですがそのワーグナーとブラームスを研究し12音技法という新しいジャンルを打ち立てたシェーンベルクという天才が現れます。それは肯定と否定がある一方でその両者の中立を表す止揚の存在かもしれません。哲学の初歩ですね。また音楽評論家による派閥も生まれました。フランスではパリ音楽院でも分裂が起こりました。それはフランクとマスネ、フォーレとデュポアという作曲家たちの対立でしょうか、いや院長も歴任されたので院長たちの対立でもあるのです。ロシアではチャイコフスキー側のモスクワ音楽院とリムスキー=コルサコフ側のペテルブルク音楽院の対立がラフマニノフの第1交響曲をめぐって発生しているように感じるのですが、この辺でやめにします。

さて、今年に入ってトレーニング界でも大分裂が起こっているようです。山本(義徳)理論VS横川(尚隆)理論と呼ばれているそうです。簡単に言えば山本さんはボディビル界のレジェンドで横川さんは最近ボディビルの大会で優勝された方です。その争点はトレーニング時間の長さにあると言えます。トレーニング時間はできるだけ短くが山本先生でできるだけ長くが横川さんです。無駄を省いて効率的な考え方と何種目も何セットも繰り返す情熱的な考え方の
違い、左脳と右脳、理性と感性の違いにも映りますね。

というわけでここでぼくがトレーニングに興味をもったきっかけについて書いていきたいと思います。それは父親に半ば強制的に行かされた小学生時代の水泳にさかのぼります。当時鍛錬やスポーツに興味のない自分は1~2年でやめようかと考えていましたが、進級テストに合格すればゲーム機買ってやるからという誘いに連れられてなんとか6年間通い続けれました。その後はなぜか音楽に興味を覚え中学時代吹奏楽部に入りましたが、これまた合奏に入る前のウォーミングアップや練習、いやそれ以上に朝練が嫌でどちらかと言えば練習嫌いでさぼり気味な日々を過ごしましたが、その当時クラスメイトから暴力を受けることがありました。しかしその暴力は時たまに頭を叩かれたり脚を蹴られたり、少なくともいえることはジャイアンがのび太を殴るレベルではなかったのでそんなに気にしていませんでしたがある日吹奏楽部の女子に脚を蹴られました。結構痛かったのですがなんとか耐えました。
しかしこのままじゃいかんと思ったのでしょう。放課後に書店へ行きトレーニング本などを探し始めました。チューブやマシンなどを使ったほとんど全ページ写真が載っているような本がありましたが実用的じゃないなと判断し、当時はまっていたハウツー本の典型だと思う知的生き方文庫(三笠書房)のコーナーで3分間トレーニング術という本を買いました。確か時間がない人でもすぐに始められるというサブタイトルがついていたかと思います。
著者はボディビル界で輝かしい記録を残された窪田登(みのる)さんでした。早大の人間科学部教授でスポーツ演習を担当されていたことが書いてありましたが、その大まかな内容は腕立て伏せや腹筋などの自重トレーニングばかりでした。トレーニングの先生とはいえ大学教授だからなのか海外の論文やデータなども紹介されかなり体系的に書かれてありました。これだったら何とかなるかもなあと思いながらトレーニングを始めました。いつでもどこでもできる両手を強く押し付ける(等尺性運動)ようなこともやりました。しかししばらく経っても思ったほど体形は変化せずその後も女子に蹴られました。

その後は高校、大学、専門学校に行きましたが次第にトレーニングから遠ざかってしまいました。そして2010年にランニングチームに入りました。5㎞しか走ったことない自分が師匠やチームメンバーに触発されて結果的にフルマラソンを完走することができましたがもともと練習が苦手なので思ったほどタイムが縮まらず、自己ベスト更新もほとんどありませんでした。まただんだん脚が痛くなり練習からも遠のいてしまいました。しかし走る機会が極端に減れば当然ながら体脂肪も増えていきます。まてよ走る以外に脂肪の燃焼効率を高める方法があるかもその高める方法は、そう思って一昨年前にトレーニング動画を視聴し始めました。なかやまきんに君やサイヤマングレートさんの動画を見ていましたがどうも自分には合わないなと思い岡田隆さんや石井直方さんなど次第に理論的な説明に重点を置く動画にハマってしまい、気が付けば山本先生の動画にたどり着きました。そして昨年、早大で窪田登先生に習いましたという事実に衝撃を受けました。つながったのです。そのシステマティックでアカデミックな姿勢は
窪田先生の精神が宿っているかもしれません。またありがたいことにサプリメント研究開発者です。

というわけでランもトレーニングもヘタレですが動画に感化されて昨年バーベルを買いました。といっても主にやることはマットを敷いて仰向けの姿勢でバーベルを上げ下げするだけです。フロアプレスというそうです。ベンチやスタンド、セーフティバーなどは揃えるのが面倒なので今は買いません。トレーニング時間は10分~30分くらい、インターバルは10秒の時もあれば5分の時もあります。比較的短い方かもしれませんがたかがバーベルの運動だけでもレストポーズにしようか、高負荷低負荷中負荷の順で行おうか、小刻みに2.5㎏ずつプレートの重量を上げていこうか、3/7にしようか悩みます。ただまあまだまだビギナーです。終わってから毎回思うことは奥が深いですね。

というわけで最後は分裂の写真です。

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